轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちよこ

千世子

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第二十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年11月25日

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 83,104 字 · 164 页

青空文庫

にげようとしてもにげられずもがいて居るうちにつかれてね入ってしまう。

翌朝寝間着をたたんだ女中が云ったと見えて学校からかえるとすぐ母親は、

「お前マア、この頃は寝あせをかくんだってネエ、気をつけなくっちゃあいけないじゃあないか」

なんかと云った事もある位わけも分らず千世子の頭はいくらねてもねてもつかれて居た。

御のぼりの立った日は千世子は縁側で高い竿のてんぺんにまわって居る矢車を見て居る間に変になって土間にころがり落ちてからズーッと本とうにとこにつく様になった。

寝はじめてからはもう一月も二月も病んで居る人の様に、救けられないじゃあはばかりにさえフラフラして行かれなくなった。千世子は病気の時いつもする様にきれいな様子をして居たけれ共先よりは重いと見えてじょうだん口もきかずにぶい目で天井の木目を見て居たり人の立ち働くのを見たりして居るのが多かった。

ちょくちょく来るHは、いつでも千世子の床のわきに一寸の間でも来て何か千世子の気に入る様ななぐさめの言葉をのこして行った。

時には長い間だまってまくら元に座って、ひくい声でうたをうたってきかせたりして居た。

千世子がきのうより悪くなって気のぬけた人の様に唇を少しあけて胸をはだけて夜着からのり出してあてどもないところを見つめて居た時、忍び足をして来たHはわきに座って居る