轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちよこ(さん)

千世子(三)

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第二十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年11月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,906 字 · 54 页

青空文庫

はっきりはわかりませんけど、琴は自分で弾きます。

こんな事を云って篤と顔を見合わせて微笑んだ。

「御自分で?

御師匠さん処へ行らっしゃるんですか?

「いいえ姉から習うんです。

いつでも千鳥の曲はいいと思ってます。

「随分精しいんですねえ。

私琴は弾けないんですよ、

ただ三味線はすきですきくだけですけど、

尺八のいい悪いなんかはわかるほど年を取って居ませんしねえ。

「いつでもね肇君の姉さんがそう云ってるんですよ。

お前なんかどうせろくなものにはなれないんだから琴の御師匠さんになる方がいいよってね。

そんな風をして琴の師匠なんかすると何かだと思われるだろうって笑うんですよ。

「若しなさったら私にした所が、

『ちっと変だな』位には思いますねえ。

一体男の人で目の開いて居る按摩と琴の御師匠ほどいや味たっぷりな虫ずの走るものはありませんよ、ほんとうに。

でもね、私達が小石川に居た所のそばにもう六十位の眼明きの御琴の御師匠さんが居ましてね、

かなり人望があって沢山の御弟子が居るんで『おさらい』だなんて云うと随分はでにしてました。

それがね何でも夏の中頃だと思ってましたけど一晩の中に貸家の札がおきまりにはすにはってあったんで大変な噂になりましたっけが酒屋の小僧がねこんな事を云ってましたよ。