轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちよこ(さん)

千世子(三)

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第二十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年11月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,906 字 · 54 页

青空文庫

こんならちもない事を云いながら千世子は男の様に不遠慮に笑った。

笑うために大きく開く口から「かんしゃく」やわだかまった気分が皆、飛び出してしまう様に気が軽くなって頭がピョコピョコはずみ出しそうに思われた。

陽気な声で千世子はついこの間書き上げた極く短っかいそいで可哀らしいものを京子に読んできかせたり思い浮ぶ歌を歌の様な調子に唄ったりした。

だまって陽気な顔を見て居た京子はしみじみとした低い声で云った。

「でも貴方なんか、思う通りの事をして苦労も心配もなしに暮して居るから少し位の不平は我まんしなけりゃあいけない。

此頃の私なんかほんとうにみじめこの上なしって云う様な様子なんだもの。

いくら画を書くのが商売だったってあけても暮れても植物の解剖図ばっかり描いて居るんじゃ何か張合も有りゃあしないんだもの。

こないだ描いて居た美人画は叔父が来て散々けなして行ったから洗ってしまったしするから――

好きで始めた仕事をしながら一寸でも、

ああ、いやだ。

と思うと淋しい様な気持がする」

「そりゃあ、誰だって他人のして居る仕事は易しくって苦労がなくっていい様に羨しい様な気がするにきまってる。