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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
「少女倶楽部」1927(昭和2)年4月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 55,869 字 · 112 页
「そうともそうともその通りだよ。だから妾も厭々ながら、京都の町へ行くというものさ。……が民弥という娘ごが、この私達の云うことを、順直に聞いてくれないことには、その謎も解くことは出来ないだろう」
「もし民弥という娘ごが、不在でありましたら如何したもので」不安そうに聞いたのは銅兵衛であった。
「さあそれが心配でね」浮木の声は心配そうである。
「だが大概は大丈夫だろう。若い娘のことであり、父に死なれたということではあり。それにもう今日も夜になった、町など歩いてはいないだろう、大方は家にいるだろう」
で一同は歩いて行く。
どうやら話の様子によれば娘の民弥に用があって、民弥の家へ行くのらしい。
しかし肝心のその民弥が、家にいないことは確かである。桐兵衛という人買の家に、捕らえられている事は確かである。
一同は山を下って行く。ズンズンズンズン歩いて行く。
誰が民弥を手に入れるだろう?
うまく猿若が助け出すかしら?
遠国廻りの人買共が、それより先に買い取るだろうか?
それとも浮木の一団が、民弥の居場所を探し出すかしら?
とにかく一人の民弥を挿んで、三方から三通の人達が、競争をしているのであった。