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あやうし せんすいかんのひみつ

危し‼ 潜水艦の秘密

山本 周五郎

「少年少女譚海」1930(昭和5)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,819 字 · 18 页

青空文庫

しかしどうしたことか、山川少将はなかなか姿を見せなかった。

「どうしたのだろう、山川さんは。もう八時三十分ちょっと廻ったがねえ」

横田大佐は懐中時計を見ながら頭をかしげた。「あの人が時間におくれるなんて珍しい」

そういっている時、扉が明いて、ぜいぜい息を切らした山川少将があらわれた。

「いや失敬した。途中で自動車に故障がおこったものだから――」

「そうですか、私達はまたどうなすったのかと心配していました。では博士、実験にかかって頂きましょう!」

横田大佐がそういった。

実験室の窓や扉には、厳重な鉄の鎧戸がぎりぎりと鳴りながらおろされた。そして人々は室の中央へと集まっていった。

そこには中央に大きな台を据えて、長さ二米突ばかりの複雑なC・C・D潜水艦用機関の模型が取附けられてあった。博士は、まず台の上へ、設計図をひろげて、静かな口調で発明の要点を話しだした。

龍介は一同からすこし離れた場所にたって、万一の場合にとわたされたモオビルの精巧な小型拳銃を握りしめながら、じっとあたりを警戒していた。

「では模型を動かして実験に取りかかります」博士は一とおり説明を終ると、模型機関のハンドルを握った。