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げんしりょくのかんり

原子力の管理

仁科 芳雄

「改造」1946(昭和21)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,268 字 · 17 页

青空文庫

日本の家屋は原子爆弾の爆風に対しては脆弱極まるもので、又原子爆弾の火熱に対しても火を引き易く延焼もすぐ起る。広島でも長崎でも、鉄筋コンクリートの家屋は損傷は受け内部は焼けて了って居るが、倒壊したものは一つもなかった。又その中に居た人も、日本家屋に比べると死傷の程度が低かった。従って欧米の近代都市にとっては、広島や長崎の結果をその儘適用することはできない。

更に附け加えるべきことは、広島、長崎の場合には原子爆弾というものは全く予想されなかったことである。従って攻撃する方は、何の妨害も受けることなしに思う通りに爆撃を行うことができた。然し今後は此種の爆撃に対しては凡ゆる防禦手段が講ぜられるであろうから、此点でも広島、長崎の場合に比べて被害は減少するであろう。

以上は欧米の都市が、原子爆弾に対して広島、長崎よりも有利であることを述べたのであるが、然しそれは今日の原子爆弾を基礎としての議論である。然らば明日の原子爆弾はどうなるであろうか。又これに対する防禦兵器はどうなるであろうか。それ等を考慮に入れた後、欧米都市の被害はどうなるかを考えねばならぬ。

前にも述べた通り、今日は原子時代の端緒が開かれたばかりである。