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ゆうじょうにかんけいあるエッセイ

友情に関係あるエッセイ

戸坂 潤

「改造」1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,236 字 · 17 页

青空文庫

川の水のように瀬になったり潭になったりして流れて行く生き物だというのは、現代人の常識であった筈だから、この頃急に変ったからと云って驚ろく方が間が抜けているのである。私が思ったほど変ってはいないというのも、その位いの変化には驚かないという意味で、あながち私の敗け惜しみでないと云って云えなくはない。

それに、変ったろう、と得意そうに云う友人達も、その裏では案外得意でないように見受けられる場合が少くないのだ。こんなに都合悪い方へ変ったんだからね、と云うような心持ちで、丁度病人が健康な見舞客に対して自分の病気を誇示する場合のような得意にしか過ぎない場合も多いのだ。そういう不健康な得意さはつまりは少しも得意でないことに外ならないが、そうなると主客に顛倒して、私の方が勝利者の側に立つことになる。私はこんな種類の変化をそんなに困った変化などとは考えていない。

菓子屋に菓子がなければそれだけ私の経済の節約になるし、米が買いにくくなったので、「日本人は何と云っても三度三度米を喰わなければ」と云っていた封建時代育ちの老人達もその頑冥不霊を取り下げなくてはならなくなるし、特に乗車や出札口での一列制度は交通道徳上大変喜ばしい向上だし、其他其他なのである。