轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くちぶえをふくぶし

口笛を吹く武士

林 不忘

「サンデー毎日」1932(昭和7)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,467 字 · 21 页

青空文庫

」

といっている、四十四、五のでっぷりした、温厚な人物は、近江の豪農、垣見吾平という触れ込みで泊まりこんでいる大石内蔵助である。

かれの甥、垣見左内と変称して、そばでにこにこしている少年は、主税だ。ゆうべこの宿の風呂場で近づきになったというカムフラアジで、いま此室へ茶菓を運ばせて話しに来ている老人は、土佐の茶道と偽っている同志中の元老、小野寺十内だった。

「変りましたでございましょうな、江戸も。」

「さ、手まえは、しばらく振りの、まったく、三年目の江戸でござりましてな。初下りも同然で――。」

「こちらは、はじめて――。」

「甥はもう、臍の緒切っての長旅でござりまして、はい。」

廊下を通る人影を意識して、聞こえよがしの高ばなしだ。

この男売り物

一

「ほ! 何だ、ありゃあ。」

佐原屋の二階の、おもて欄干に腰かけていた武林唯七が、感心したような大きな声を上げた。

「おい、ちょっと来て見ろ。」

この数カ月武林は、大阪にかくれていた原惣右衛門、京都に潜んでいた片岡源吾、それから、江戸の堀部安兵衛らと、ひそかに、あちこち往来して、一挙の時期を早める硬論を唱道してきたのだ。