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こだいこくごのおんいんについて
古代国語の音韻に就いて 他二篇
橋本 進吉
橋本進吉『古代国語の音韻に就いて 他二篇』。同一底本的分册已合并为一书。收入:古代国語の音韻に就いて、国語音韻の変遷、駒のいななき。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 94,329 字 · 188 页
そうして明治以後になって出来た国語学書の解説や国語学史にも『奥山路』の書名は載っていますが、こういう珍しい注目すべき研究であるということは一向判っていなかったのであります。それは一つはこの書物の書き方が甚だ粗略であって、かような、誰にも思い掛けない全く新奇な事実を伝えるのに不十分であり、また一方、余り独断的に見えるような所もあって、その本当の性質を理解することが困難だったからでありましょう。実は私も大学の国語研究室にこの書物の写本がありまして(これは震災の時に焼けましたが)ずっと前に見たこともあったのでありますけれども、その時分には判らなかったのでありますが、明治四十二年の頃、ちょうど私が国語調査委員会におりまして『万葉集』の文法に関することを調査して色々例を集めておった内に、その第十四巻の東歌の中に「我」とあるべき所に「家」と使ってあるので少し変だと思って、この巻の中のすべての「家」の字を集めて考えてみたのでありますが、それは当面の問題の解決には用立たなかったのでありますが、そうして見て行く中に、助動詞の「けり」の「け」とか形容詞の語尾の「け」