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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
在线阅读柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 页
の句を置き、最後をこの句で結んである。歳暮にはじまり元旦で終るので、回文格だなどと支考は理窟をいっているが、俳文の格などはどうでもいい。「影法師対」の内容は近頃の人も時々やる形影問答である。「白髪を清めて元日を待所に、汝何人なれば我が白桜下に来り、我と対して座せるや」というに筆を起して、此方が何かいうと、向うも何かいう。「我いかれば彼いかり、我笑へば彼笑ふ。此公事は漢の棠陰比事にも見えず、倭の板倉殿の捌にも聞えず。爰に我ひとつの発明あり。実に我紋は左巴なり、汝が著せしは右巴なりといはれて、終に此論みてたり」――左巴と右巴で埒が明くなどは、形影問答としても簡単過ぎるようであるが、作者は更に数行を加えている。即ち「我また我心を責て曰、一論に勝ほこりて、是を智なりと思へるや。その所詮を見るに、たゞ唇に骨をらせ、意識をあからせたるまで也。いでや隠士の境界は世間の理屈を外に置て、内に無尽の宝あり、その宝は」とあって「元日や」の句があるのである。
この句を解するのに、右の形影問答はそれほど必要とも思われぬが、「世間の理屈を外に置て、内に無尽の宝あり」の一句は頗る注目に値する。