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こくをみる

古句を観る

柴田 宵曲

在线阅读柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 页

青空文庫

主人公が、無気味な幻影を見ることを描いている。即ち「蓮の葉笠を著るやうなる子供の面影、腰より下は血に染て、九十五六程も立ならび、声のあやぎれもなくおはりよ/\と泣ぬ」とあるので、『一代女』の挿画は後世の草双紙のように、物凄さを強調するものではないが、この蓮の葉笠の姿は何となく凄涼の気を帯びている。吾仲の句はそれほど恐しい幻を見ているわけではない。魂棚の灯に真青な蓮の葉を見て、これを笠に戴く聖霊の姿を漠然と感じているのである。

村雨も過ぎて切籠のあらしかな    乙双

村雨がばらばらと降って止んで、切子燈籠に強い風が吹いて来た、というのである。勿論夜の景色であろう。暗い夜空から降る雨も、俄に吹いて来る強い風も、盂蘭盆が背景であるだけに、他の場合とは自ら別個の感じを与えるところがある。

桐苗の三葉ある内の一葉かな    知方

桐の苗木に葉が三枚ついている。そのうちの一葉がばさりと落ちた。こういう若木は秋の到ることを著しく感ずるものであるかどうか。三枚のうちの一葉を欠くのは、その小さな木からいえば重大な事件である。

『猿蓑』に「三葉散りてあとは枯木や桐の苗」