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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
在线阅读柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 页
ちょっと変った場合を見つけたところに面白味がある。綿を沢山積んで置いて、その上へ高いところから飛下りたら怪我をせずに済むだろうか、というようなことを考えた少年時代を思い出す。
鰯ほす有磯につゞく早稲田かな 句空
磯に続く此方は、一面の田圃になっていて、穂に出た早稲がそよいでいる。磯には鰯が干してある。烈しい秋の日が照りつけて、むっとするような干鰯の匂もあたりに漲っているに相違ない。
芭蕉の「早稲の香や分け入る右は有磯海」という句は、海に近い稲田の比較的大きい景色と、その間をとぼとぼと行く芭蕉の旅姿を連想せしめるが、句空は「鰯ほす」の一語によって、その磯の様子を強く描き出している。北国作家の一人だから、舞台は無論同じところである。
何をする家とも見えず壁に蔦 其由
壁に蔦などを匍わせて住んでいるが、必ずしも数寄者というわけではない。この「何をする」という言葉は、蕪村が「こがらしや何に世わたる家五軒」といったほど強い意味の言葉でなく、素性のわからぬ、得体の知れぬといった程度のものと見るべきであろう。子規居士の「職業のわからぬ家や枇杷の花」という句が、ちょっとこの句に近いものを捉えている。