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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

佐々木味津三『右門捕物帖(一)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 220,431 字 · 428 页

青空文庫

いったかいわないかのときでありました。しかるように鋭いことばが、不意に右門の口から発せられました。

「あいかわらずのひょうきん者だな。さ! 深川だ、深川だ! 深川へいって、あの小娘のおふくろを洗ってくるんだ!」

「えッ、おふくろ……? だって、小娘はまさに判然と、おやじの死に方がおかしいから、そいつを洗ってくれろといいましたぜ。だんなの耳は、どこへついているんでござんすかい」

「あほうだな。おれの耳は横へついているかもしれねえが、目は天竺までもあいていらあ。てめえにゃあの子の首筋と手のなま傷がみえなかったか!」

「え……? なま傷……? なるほどね。そういわれりゃ、三ところばかりみみずばれがあったようでござんしたが、ではなんですかい。そのみみずばれは、おふくろがこしらえたものとでもおっしゃるんですかい」

「あたりめえよ。あの小娘のおれに訴えてえものは、おやじのこともことだが、ほんとうはあのみみずばれのことがおもにちげえねえんだ。けれども、さすがは武士の血を引いて年より利発者なんだから、おふくろの折檻やそんなことは、家名の恥になると思って、このおれにさえいわねえんだよ。