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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

佐々木味津三『右門捕物帖(四)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 页

青空文庫

しっかりしろい」

「ち、ち、ちげえねえ。――急ぎだよ! 駕籠屋! 待っておれといったのに、どこをのそのそほつき歩いているんだ。牢屋へ行きな! 牢屋へ!」

ひゅう、ひゅうと風がうなってすぎて、駕籠もうなるような早さでした。

しかし、行きつくと同時に、右門の足はぴたりとくぎづけになりました。

はいろうとしたお牢屋同心の詰め所の中から、ぴしり、ぴしりとむちの音が聞こえるのです。

痛み責めの音にちがいない……。

敬四郎、得意の責め手なのでした。さては? ――と思って、のぞいた目に映ったのは、意外です。

責めているのは、あの源内でした。打たれているのは、お牢屋づとめの番人らしい若い小者なのでした。

「なにをお責めじゃ」

「おう、おかえりか。太いやつじゃ。こいつが、こいつめがあのドスを――」

「差し入れたといわるるか!」

「そうなのじゃ。人手にまかして源内ばかり高見の見物もなるまいと、ドスの差し入れ人をしらべたところ、ようやくこやつのしわざだということだけはわかったが、なんとしてもその頼み手を白状せぬゆえ、責めておるのじゃ。――ふらちなやつめがッ。牢屋づとめをしておる者が科人とぐるになって、なんのことじゃ。