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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

佐々木味津三『右門捕物帖(四)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖、右門捕物帖。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 页

青空文庫

こざっぱりとした身なりはしているが、裕福なものたちではない。

懐中は無一物。手がかりとなるべき品も皆無。しかし、無一物皆無であったにしても、どういう素姓の者かまずそれに眼をつけるのが第一です。

しゃがんで龕燈をさしつけながら、しきりとあちらこちらを調べていたが、はからずもそのとき名人の目をひいたものは、死人の手のひらでした。

五人ともに人並みすぐれてがんじょうな手をしているばかりか、その両手の指の腹から手のひらにかけて、いち面に肉豆が当たっているのです。

「船頭だな!」

「へ……? 船頭というと、船のあの船頭ですかい」

「決まってらあ。駕籠屋に船頭があるかい。いちいち口を出して、うるさいやつだ。この手を見ろい。まさしくこいつあ艫肉豆だ。船頭の証拠だよ。これだけ眼がつきゃ騒ぐこたアねえ。自身番の連中、おまえらはどこだ」

「北鳥越でござります」

「四、五町あるな。遠いところをきのどくだが、見たとおり、ただの首くくりじゃねえ。今夜のうちにも騒ぎを聞いて、この者たちの身寄りが引き取りに来るかもしれねえからな。来たらよく所をきいて渡すように、小屋に死体を運んで番をせい。