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あいえんきえん

合縁奇縁

佐々木 邦

「キング」大日本雄辯會講談社、1950(昭和25)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,349 字 · 23 页

青空文庫

「君は妹にラブ・レッターを送るなんて、不都合千万じゃないか?」

「ラブ・レッターという程のものじゃないんだよ」

「いや、僕は読んだ。要するに下らないことが正々堂々と書いてある」

「…………」

「出世以外のことを考える時か?」

「多少は仕方あるまい。人間だもの」

「断るよ。妹はズボは嫌いだと言っている」

「ズボとは?」

「坊主だ」

「失敬な」

「何方が失敬だ? 妹の縁談の邪魔になるから、もう一切寄りつかないでくれ給え」

「宜いとも」

「道で会って話しかけても困るよ」

「安心してくれ。迷惑はかけない」

その日、家へ帰ったら、町子さんから郵便で手紙が来ていた。

あら/\走り書きよ。御免下さい。

私、あなたが嫌いじゃありませんが、お坊さんらしいお名前が厭ですの。瑞竜さんなんてロマンチックじゃありませんわ。竜太郎とでも改めて下さい。でも、兄さんが憤ってしまったから駄目ですわ。兄さんと仲直りをして下さいよ。兄は出世以外何も考えていませんから困ります。あなたがお出下さらなければ、この手紙、これで最後になります。かしこ

不幸な乙女

僕は黒須君のところへ相談に駈けつけた。丁度尾崎君が役所の帰りに寄って行った後だった。