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よしだしょういん

吉田松陰

徳富 蘇峰

「国民之友」1892(明治25)年5月~9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 135,622 字 · 269 页

青空文庫

もしそれ第二種のいわゆる革命家に到りては、大いに趣きを殊にするものあり、彼らは眼の人たるのみならず、手の人たるのみならず、眼に見る所、直ちに手にも行うの人なり。時の緩急を料らず、事の難易を問わず、理想を直ちに実行せんとするは、急進家なり、而して革命家なるものは、それ急進家中の最急進家にあらずして何ぞや。

彼らは余りに眼の人たるべからず、何となれば識見透徹する時においては、革命家の資格一半を消失すればなり。彼らは余りに手の人たるべからず、何となれば巨手鋭腕、結構建設の異能を有する時においては、また革命家の資格一半を消失すればなり。識見は人をして事の成敗、物の利害、事物自然の運行を悟らしむ。既にこれを悟らしむ、必らず避くるあり、もしくは待つあらしむ、而して避くると待つとは、革命家の大敵なりと知らずや。栗の実りて自から殻を脱するの時あるを知らば、また何ぞ手を刺されて自から殻を劈くを要せんや。豆の熟して自から莢を外るるを知らば、また何ぞ手を労して自から莢を破るを要せんや。而して彼の革命家なるものは、生栗の殻を劈くものにあらずや、生豆の莢を破るものにあらずや。