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どうしこばやしたきじのぎょうせき
同志小林多喜二の業績
宮本 百合子
作品を中心として
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 1,776 字 · 4 页
日本のプロレタリア全運動は一九二九年以来、急速に進展している。プロレタリア文学もその進展を共にし、プロレタリアートの課題を自身の課題としてジリジリ押しすすんで来ているのだが、同志小林多喜二ほど全面的にプロレタリアートの課題をわが身に引きそえて、作品に具体化しようと試みたプロレタリア作家はなかったといえる。
同志小林多喜二の作品で全くの駄作というようなものは殆どなかった。よしんば或る作品において間違いがあったとしても同志小林多喜二にあっては、決して日和見主義や引こみ思案や「作家主義」から出たことはない。きっとそれは今まで欠けていた新しい闘争の具体性をプロレタリア文学の中に摂取しようとする雄々しい意志からされたものであり、間違いは捕えた問題を十分マルクス・レーニン的方法で発展させ得なかった場合にだけ生じた。
だから、同志小林多喜二ぐらい理論活動の重要さを知っていたひとも少ないであろう。同志小林はまことに共産主義作家にふさわしい真面目な精神で、正しい実践は正しい革命的理論なしに行われないことを知っていた。
日本プロレタリア作家同盟の書記長、コップ中央協議員等という忙しい仕事を熱心に果しながら、寸暇をおしんで作品をつくった。