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けいもうのげんだいてきいみとやくわりとについて
啓蒙の現代的意味と役割とについて
戸坂 潤
「饗宴」1931(昭和6)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,857 字 · 17 页
その理由はさし当り、啓蒙という観念の有っているその政治的な特色とそれの一応の非政治的純文化的特色とのからみ合いがリアリスティックに的確に把握されていなかったことにより、又幸か不幸か、今日までそういうリアリスティックな把握を強制されるような情勢に立つことがなかったということにあるのである。――今日は啓蒙という特殊の文化活動の様式が、プロパガンダ(宣伝)やアジテーション其他と併んで、独自の社会的意義を公認され得る条件を具えており、従って又この社会的意義を活用し得又活用しなければならぬ時期でもあるようだ。
各種のジャーナリズム機構、独りプロレタリヤ・ジャーナリズム(に限らずブルジョア・ジャーナリズムさえ)の意識的活用其他が、啓蒙活動に固有な様式となる。今日所謂「合法的出版物」(その意味は現在極めて曖昧であるが)なるものの意味の重大性はここにあるだろう。比較的に原則的な又或る限度までしか時事的でない啓蒙活動の、素材乃至内容は、この様式の下にあっても相当運用の効果を挙げることが出来るだろうと考える。
(一九三六・九)