轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

とらわれびと

囚われ人

豊島 与志雄

「群像」1952(昭和27)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,109 字 · 35 页

青空文庫

奇怪な行列が始った。煙吉を先頭にして、一同、ゆっくりと正夫の方へ進んで行く。だが正夫は、ちらと一同を見て、卓につっ伏し、両の掌で額をかかえ、息を殺したように動きもしない。その代り、円卓の正面に坐っていた議一が、立ち上って、一同の後を見送る。

煙吉は正夫に近づき、正夫の様子を眺めて、ちょっと立ち止るが、首を振って、また歩き出す。いつのまにどこから取り出したのか、一同はめいめい、片手に品物を持っている。そして正夫の前に、煙吉は煙草の缶を捧げる。酒太郎は酒瓶を、愛子は蜂蜜の瓶を、時彦は鉄側の時計を、順次に正夫の前に捧げる。

正夫は突っ伏したまま身じろぎもしない。それには構わず、煙吉を先頭に一同は、踊るような足取りで、正夫のまわりを、一回、二回、三回と、ぐるぐる廻って、元の円卓の方へ戻ってゆく。

煙吉――これで、正夫君への贈物は済んだ。

愛子――こんどはあたしたちも、少し御馳走になりたいものね。

酒太郎――そうだ、こちらも酒盛をしよう。

酒太郎が酒瓶を出すと、一同はそれぞれ、正夫に与えたのと同じ品物を取り出す。

酒太郎――おい時彦、時計なんか仕様がないじゃねえか。