轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

トソンラン

土城廊

金 史良

「文芸首都」1940(昭和15)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,752 字 · 52 页

青空文庫

それは闇の中に銀色にぴかぴか閃いて見えた。今度はその近くの土壌がめり込むらしく軽く水のはぜ返る音が聞え、再び大きな轟音が静けさを突きやぶって響いて来た。土城は最早決潰し出したのである。のしかかって来る濁流はそこにはけ口を見出してどっと押し寄せ、喊声を挙げながらざあざあ東側の低地へ落ちかかった。地鳴り、轟き、瀑布のどよめき。

慄然として背筋には冷い惑乱が突っ走る。元三はいつの間にかへたへた俯伏せにちぢこまって、口では激しく喘ぎ手は地べたの泥をまさぐっていた。体を起そうともがいた。早く婦の所へ行って連れ出さねばならないと思ったのである。だがどうしても起き上れない。腰を浮し足を先にして下の方へと乗り出してみた。手が泥の上を辷って、あっと思うまに二三尺ずるずるとずり落ちた。それは泥水だらけで急傾斜だった。下は怖ろしい急流である。爺は慌てて再び起き上ろうとして膝を立てたが今度はそれががくんと辷ってころげ出した。

「姐さん!」元三は悲鳴を上げた。

ただならぬ物音に驚いて婦は首を突き出した。だがその時はもう「あーっ!」と叫ぶまもなく、何か黒い物がどしんどしんと転び落ちていたのである。