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ちじょう
地上
島田 清次郎
地に潜むもの
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 175,250 字 · 350 页
こうした催しが実際生徒自身にどれだけの価値を有するかは分らなかったが、こうした催しが沈澱し停滞し萎縮する教師達の間に一脈の生気を通わして、いつとなく一人一人が小さい殻に閉じ籠ろうとする生活の硬化を揺るがし湧立たせるだけでも必要と言わねばならなかった。殊にこの年のように人の気の陰鬱な、寂しいこの秋にはよい企てであった。平一郎にはこの催しは何の交渉もなかった。展覧会といえばいつも図画とか習字とか英習字とか手先の学科に定っている教育制度では平一郎は何の優れた素質もない少年となるのである。彼は手先の学科はすべて普通以下の点数しかとれなかった。彼はつとめて平静であろうとし、そうした学科を軽蔑していたけれど、寂しい気がした。これが何か運動であるか講演会であるかすれば、彼はどんなに喜んだろう。彼はこの催しをお光にまるで重要でないこととして話した。そうして彼は秋の土曜の一日をつまらなく学校で空費する苦痛に耐えられない気がした。彼は和歌子に会ってやろうと思った。少年の冒険心は和歌子をこの展覧会へ招待して、満足しようとした。彼は和歌子に自分達の成績展覧会がこの土曜日にあるから是非放課後来てくれと書いた。