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こうふ

坑夫

夏目 漱石

深更半夜一个人走在松树林里,又累又困还没钱,突然茶店老板回头冲你一笑……这到底是要去哪?前方有啥在等着?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 141,690 字 · 283 页

青空文庫

と云う訳になる。何となく落語じみてふざけているが、実際この時の心の状態は、こう譬を借りて来ないと説明ができない。

自分は長蔵さんの言葉を聞くや否や、急に神経が弛んで、立ち切れない足を引き摺って、第一番に戸口の方に近寄った。赤毛布はのそのそ這入ってくる。小僧は飛んで来た。飛んだんじゃあるまいが、草履の尻が勢よく踵へあたるんで、ぴしゃぴしゃ云う音が飛ぶように思われた。

這入って見るとぷんと臭った。何の臭だかさらに分らない。小僧が鼻をぴくつかせたので、小僧もこの臭に感じたなと気がついた。長蔵さんと赤毛布はまるで無頓着であった。土間から上へあがる段になって、雑巾でもと思ったが、小僧は委細構わず、草履を脱いで上がっちまった。小僧の草履は尻が無いんだから、半分裸足である。ひどい奴だと眺めていると、長蔵さんが、

「御前さんも下駄だから、御上り」

と注意した。それで気味がわるいが、ほこりも払わず上がった。畳の上へ一足掛けて見るとぶくっとした。小僧はその上へころりと転がっている。自分は尻だけおろして、障子――障子は二枚あった――その障子の影へ胡坐をかいた。この障子は入口に立ててあるから、振り向くと、長蔵さんと赤毛布が草鞋を脱いでいる。