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こうふ

坑夫

夏目 漱石

深更半夜一个人走在松树林里,又累又困还没钱,突然茶店老板回头冲你一笑……这到底是要去哪?前方有啥在等着?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 141,690 字 · 283 页

青空文庫

入口まで来て、初さんが外から声を掛けると、窓をがらりと開けて、飯場頭が顔を出した。米利安の襯衣の上へどてらを着たままである。

「帰ったか。御苦労だった。まああっちへ行って休みねえ」

と云うが早いか初さんは消えてなくなった。後は二人になる。親方は窓の中から、自分は表に立ったまま、談話をした。

「どうです」

「大概見て来ました」

「どこまで降りました」

「八番坑まで降りました」

「八番坑まで。そりゃ大変だ。随分ひどかったでしょう。それで……」

と心持首を前の方へ出した。

「それで――やっぱりいるつもりです」

「やっぱり」

と繰り返したなり、飯場頭はじっと自分の顔を見ていた。自分も黙って立っていた。二階からは依然として首が出ている。おまけに二つばかり殖えた。この顔を見ると、厭で厭でたまらない。飯場へ帰ってから、この顔に取り巻かれる事を思い出すと、ぞっとする。それでもいる気である。どんな辛抱をしてもいる気である。しかし「やっぱりいるつもりです」と断然答えて置いて、二階の顔を不意に見上げた時には、さすがに情なかった。こんな奴といっしょに置いてくれと、手を合せて拝まなければ始末がつかないようになり下がったのかと思うと、身体も魂も塩を懸けた海鼠のようにたわいなくなった。