轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
よるのくつ
夜の靴
横光 利一
――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 213 页
幾らでも持ってるもんだ。」
と、こういう村のものらの結論は今はどこでもらしく、私などの所持金もうすうす皆は見当をつけているのであろうが、中に一軒、疎開者を置いているある農家のもので、うちの疎開者は少しもうちから物を買ってくれたことがないと云ってこぼしているのもある。私としては、他で金を落すものならこの村で落して行きたいと思っているのだが、買いたいと思うと、「おれんとこは商売はしたことがないでのう。」と、暗に私係りの久左衛門に当ったことを云ったりする。
十一月――日
川端康成から三千円送ってくれた。鎌倉文庫の「紋章」の前金だが、一度も催促したこともないのに、見当をつけたようにぴたりと好都合な送金で感謝した。これでひと先ず帰り仕度は出来たとはいえ、終戦以来最初の入金のためか、再び活動をし始めた文壇の最初の一息のようで、貴重な感じがする。
立ちこもった霧雨の中から糸杉、槙の葉、栗の枝が影絵のように浮き出ている。参右衛門の家では今日は刈上げ餅を夕方から搗き始めた。夜のお祝いに私たち一家のものも隣室の仏壇の間で御馳走になった。中央の大鍋いっぱいにとろりと溶け崩れた小豆餅、中鍋には、白い澄し餅がいっぱい。