轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
よるのくつ
夜の靴
横光 利一
――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 107,056 字 · 213 页
空想が少しもなく、天候の示す方向に対して実証を重んじ、土壌の化学と種子の選定以外にはあまり表情を動かさない着実さが、心理の隅隅にまで行きわたっている。まことに言葉以上の記号で生活している最上級の音楽形式がここにある。これを泥臭とばかりに見ていた自然主義は、自身の眼が根柢に於てあまりに自然主義だったというべきだ。
都会人は農家をけちんぼだと、誰も云って来た習慣があるが、それも誤りだ。都会人の握って来た一銭と、農家のものの握った一銭とは、金銭の通用額は同じだとしても、質が違っている。ここのは真実を実証した肉体の機械のごとき一銭で、投機心から得た混濁したものは何もない。おそらく、都会人の一円と農家の一銭とを同額としてみて、初めて、ようやぐ金銭に対する心遣いに均衡ある判断が下せるかもしれない。農家にとって、金銭は天候の甘露であり、幾何学の重みであり、筋肉に咲いた花であり、祭壇に飾る神聖な象徴物であろう。あるいは、神かもしれない。これを粗末に扱えるものではなく、けちんぼにならざるを得ぬ崇高なものをここに見ぬ限り、農村論は実際は不可能だ。
本家の参右衛門の妻の清江が、別家の久左衛門をひそかに攻撃する理由は、百姓のくせに笹巻などを売って商売をするから悪いという。