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よなきてっこつ
夜泣き鉄骨
海野 十三
「新青年」1932(昭和7)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,273 字 · 31 页
「そうか。確に、それと間違いが無けりゃ、降りることにしよう」
わし達は、また困難な鉄梯子を、永い時間かかって、一段一段と、下りて行った。
下まで降りきらない裡から、残っていた連中は、クレーンの上のスウィッチが開いていたか、どうかについて、尋ねるのであった。
「政に見て貰ったがな」わしは一同の顔を、ずッと見廻した。
「クレーンのスウィッチも開いていたよ」
「それじゃ、いよいよあのクレーンは……」そこまで云った職工の一人は、自ら恐ろしくなって、言葉を切ってしまった。
「……電気の力で動いたのでは無い、ということになる」とわしは、代りに、云った。
「誰が、動かしたんだッ」
「上って、四方に気をつけて見たが、隠れてる人間も居なかった。なァ、源太、友三、雲的」
「そうだ、そうだ」
「もっとも、人間一人で動くようなクレーンじゃない」
「ああ、すると誰が動かしたんだ」
「組長さん。もう我慢が出来なくなった。どうか、ここから出して下せえ」
「俺も、出るッ」
「いや、出ることならぬ」わしは呶鳴った。「クレーンを動かした者が、判らぬ限り」
「組長さん、そりゃ無理だよ」源太が泣き声を出した。「ありゃ、生きてる人間のせいじゃないんだ」