轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
よなきてっこつ
夜泣き鉄骨
海野 十三
「新青年」1932(昭和7)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,273 字 · 31 页
わしのあとには、組下のものや、惨事を報せに来た連中が、バタバタと追いついて来るのであった。
電纜工場の入口を一歩入ると、凄惨極まりなき事件の、息詰まるような雰囲気が、感ぜられるのだった。皎々たる水銀灯の光の下で仕事をする人々は、技師といわず、職工といわず、場内の一隅に据えられた、高さ五十尺の太い熔融炉の周囲を取巻いて、一斉に上を見上げていた。熔融炉の側には、松の樹を仆したような大電纜が、長々と横わっていたが、これは忘れられたように誰一人ついているものは無かった。
「駄目だァ、何にも見えねえ」
「着物の端も、残っていねえよ」
そんなことを叫びながら、熔融炉の頂上に昇っていたらしい男工達が、悲痛な面持をして降りて来た。白い手術着を着て駈けつけた医務部の連中も、形のない怪我人に対して、策の施しようも無く、皆と一緒に、まごまごしているだけだった。
「どうも、お気の毒でしたが」工場長が、わしの傍へ近づくと、興奮した語調で云った。「気がついたときは、おせいさんが、もう熔融炉の、殆んど頂上まで、昇っていたんです。でも、それと気がついて、(停めろ、下りろ)と、下から叫びましたが、何も聞えない風で、アレヨ、アレヨと云っているうちに、火焔の中へ飛びこまれたようなわけで……」