轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
よながひめとみみお
夜長姫と耳男
「新潮 第四九巻第六号」1952(昭和27)年6月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,604 字 · 56 页
長者の邸へ着いた翌日、アナマロにみちびかれて奥の庭で、長者に会って挨拶した。長者はまるまるとふとり、頬がたるんで、福の神のような恰好の人であった。
かたわらに夜長ヒメがいた。長者の頭にシラガが生えそめたころにようやく生れた一粒種だから、一夜ごとに二握りの黄金を百夜にかけてしぼらせ、したたる露をあつめて産湯をつかわせたと云われていた。その露がしみたために、ヒメの身体は生れながらに光りかがやき、黄金の香りがすると云われていた。
オレは一心不乱にヒメを見つめなければならないと思った。なぜなら、親方が常にこう言いきかせていたからだ。
「珍しい人や物に出会ったときは目を放すな。オレの師匠がそう云っていた。そして、師匠はそのまた師匠にそう云われ、そのまた師匠のそのまた師匠のまたまた昔の大昔の大親の師匠の代から順くりにそう云われてきたのだぞ。大蛇に足をかまれても、目を放すな」
だからオレは夜長ヒメを見つめた。オレは小心のせいか、覚悟をきめてかからなければ人の顔を見つめることができなかった。しかし、気おくれをジッと押えて、見つめているうちに次第に平静にかえる満足を感じたとき、オレは親方の教訓の重大な意味が分ったような気がするのだった。