轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ゆめ
夢
和辻 哲郎
「新潮」1952(昭和27)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,436 字 · 25 页
ここをやられると日本は致命的な打撃をうけるというのが、この夢の前提であった。
右の第一場から第二場へどういうふうに転換したかは、まるで覚えがない。第二場は今住んでいる練馬あたりの田舎と同じような、畑つづきの野原であった。その畑の間の野道を家内や孫とともにぶらぶら歩いていると、突然空にガーッと飛行機の音が聞こえて来た。驚いて見上げると、数十機の編隊がわりに低空を飛んで来る。それを見た瞬間に、どういうわけかわたくしには、それがアメリカの飛行機であることが解った。のみならずわたくしは、あゝ、やっぱりあれを発明していたのだ、これではどうにも仕方がない、と感じて、ひどいショックをうけた。その「あれ」が何であったかは一向明らかでない。蒼空にくっきりと刻まれた飛行機の姿は、妙に鮮やかに記憶に残っているが、それには新しい発明を思わせるものは何もなかった。それでもわたくしは、かねがね恐れていた発明をアメリカ人がすでに成就していること、その恐ろしい武器をもって今日本を攻撃して来たのであることなどを、この瞬間に理解して縮み上がったのである。でとにかく家内や孫をどこかへ避難させなくてはならぬと思って、あたりを見回すと、そこは一面の茄子畑で、茄子の紫色が葉陰から点々と見えているだけで、身を隠す草むらさえなかった。