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おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

「太陽」博文館、1925(大正14)年7月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 47,606 字 · 97 页

青空文庫

小判の雨でも降るかもしれねえ」

宝壺! 宝壺! ほんとに怪異など起きだすだろうか?

果然怪異は起こったのであった。

深夜、壺は音楽を奏した。

非常に微妙な音楽であった。

同時に人々は亢奮した。鼬が檻を食い破り、主人の喉笛へ喰らい付いた。

それは決して福の神ではなく、むしろ災難の神であった。

「釜無の文」は喰い殺された。

次にこの壺を手に入れたのは、文の手下の銅助であった。

「うん、俺は大丈夫だ。きっと福の神にして見せる」

で、それを枕元へ置き、安らかに眠ったことである。

すると、音楽が聞こえてきた。彼はにわかに胸苦しくなり、無宙で飛び起きて駈け廻った。

そうして柱へ頭を打ちつけ、血を吐いて死んでしまった。

損をしたのは木賃宿の亭主で、その月の宿賃をフイにした。そこで銅助の持物を一切バッタに売ることにした。

そこで、その壺と付属地図とはある古道具屋の手に渡った。

この間に世間は一変し、世は王政維新となり、そうして奠都が行なわれた。

江戸が東京と改名され、大名はいずれも華族となり、一世の豪傑勝安房守も、伯爵の栄爵を授けられた。

ところで義哉はどうしたろう?