轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

「太陽」博文館、1925(大正14)年7月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 47,606 字 · 97 页

青空文庫

大豪の武田勝頼には、仙人壺も祟らなかったらしい。いやいや決してそうではなかった。壺は大いに祟ったのである。ある夜壺は音楽を奏した。これが勝頼にはこんなように聞こえた。

「天目山へ埋めろ! 天目山へ埋めろ!」

さすがの勝頼も気味悪くなり、侍臣をして天目山へ埋めさせた。

しかし祟りはそればかりではなかった。

天正十年三月における、武田と織田との合戦で、勝頼は散々に敗北した。で止むを得ず僅の部下と共に天目山へ立籠った。すると、にわかに鳴動が起こり、壺が地中から舞い上り、同時に天地は晦冥となった。

勝頼はその間に切腹し、全く武田家は亡びてしまった。

「と、こういう伝説でございますので。……その後手に入れた綱吉公が、将軍職になりましたし、柳沢侯が出世しましたので、幸福の象徴となりましたが、しかし将軍綱吉侯は――大きな声では云えませんが、奥方の寝室の中で暗殺され、つづいて柳沢侯は失脚しました。やはりこの壺はそういう意味から云うと、悪運の壺なのでございます」

29

家へ帰って来た延太夫は、早速女房のお錦を呼んだ。

そうして勝家での話しをした。

「恐ろしい壺でございますことね。