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だいこんとダイヤモンドのはなし
大根とダイヤモンドの話
小川 未明
「赤い鳥」1923(大正12)年11月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,929 字 · 8 页
」と、百姓は、自分の胸の中をすっかりいいつくし得ないで、かまちに頭をすりつけていました。そして、しまいに、その紙に包んだのを押しいただいて、台所口を出ていったのであります。
百姓の去った後で、地主は、足もとの大根を見下ろしていました。
「あいつは自慢していたが、こんな大根がいくらするもんだ。町へいって買ったって、知れている。」と、地主はつぶやきました。
ちょうど、そこへ、町から、かねてあいそのいい植木屋が、山にいって、帰った土産だといって、しゃくなげを持ってきました。
「だんなさま、つくか、つかないかしれませんが、これをあの石どうろうの下の岩蔭に植えておいてください。」といいました。
地主は、どんなに喜んだでしょう。
植木屋は、庭さきに出て、持ってきたしゃくなげを植えました。そして縁側に腰をかけて茶を飲みながら地主と調子よく、いろいろの話をいたしました。
「だんなさま、不思議なこともあるもんです。それは、とうてい人間のゆけるようなところでありません。嶮岨な山、また山の奥で、しかも谷の向こう側です。大きな岩がありまして、その岩の頭が、日が射すと五色の火のように光るのです。