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だいこのは

大根の葉

壺井 栄

「文芸」改造社、1938(昭和13)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,854 字 · 50 页

青空文庫

――健のお父さんはな、小んまいとき学校が偉ろてな、大学校まで行たんじゃけんど、今じゃ職がのうて、職がのうて、銭もうけがでけんがいや、え、健よ、お前もお父さん見たよになるなえ。豚はな、学校に行かいでもちゃんと銭もうけてくれるわいや。」

おばあさんは豚を見い見いしゃがんだ。健はおばあさんの肩に手をかけて、ん、ん、とうなずいていた。

「おばあさん、犬も大けになったら銭もうけるんよ。」

「いいや、犬は糞にもならんわいや、鶏ごろねんがけたりしてな。」

「ふーん、ほんな犬は馬鹿やのう。――ほんな猫は、銭もうけるんよ。」

「猫かいや、猫はもうけんけんど、ネズミ取ってくれる。」

「ほんなかしこいのう。――ほんならあ、うさぎは?」

健はうさぎのように両肘を小脇にあてて、手首をちょんと前に出し、もう豚に横を向けておばあさんと向かいあっていた。しゃがんでいるおばあさんと、立っている健の顔は並んで一尺と離れていない。健は真剣な顔つきで偉いものと、馬鹿なものの区別をした。おばあさんは、むずかしそうに首をかしげて考え考え答えた。

「うさぎか――ええと、そうじゃなあ。うさぎと。うさぎやどうやらもうけてくれるげな。