轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいこのは
大根の葉
壺井 栄
「文芸」改造社、1938(昭和13)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 24,854 字 · 50 页
」
「ほて、お菓子見せたら、手々出してとりにくるんで。」
「ふーん。」
ペタン、ペタン、と渚を洗うしずかな波の音が聞こえる。夕闇はだんだん村を包んでいった。
「健、克ちゃんがな、お母さんの顔見たら笑うんで。」
「ほうよ。」
「それからな、克ちゃん早よおいで、いうたら、手々出してとんでくるんで。」
いつか遠く村を出はずれて、あたりはひっそりと静まりかえり、お母さんの下駄の音がかたかたと闇にひびいた。むせるような若葉の匂いがあたりにみち、暗い畑のところどころに大根の白い花がほんのりと浮かんでいる。
「ほてな健、お母さんがこぼしたご飯つぶを克ちゃんが見つけてなあ、つまんで拾いよんで。おもしろいな。」
「ん。」
「目々のとこいお母さんが手々もって行たらなあ、恐ろしげにして、目々つぶるん。おもしろいな。」
「ん。」
「今度もう一ぺん行てきたら、克ちゃんはもっと何でも見えるようになるんで。」
暗い海の上には、ゆっくりと流している漁舟の篝火が右に左に動いて、しばらくぶりに見る空は秋の夜のように星がかがやいている。
「まあ、きれいな星、見い健!」
お母さんは立ちどまって背の健をゆすりあげた。