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たいしょうじゅうにねんくがつついたちよりのとうきょう・よこはまかんたいしんかさいについてのきろく
大正十二年九月一日よりの東京・横浜間大震火災についての記録
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,429 字 · 19 页
鎌倉被害甚しかろうと云うので、国男のこと事ム所の父のことを思い、たまらなし。
九月四日 火曜日
午後四時五十七分福井発。
もう福井駅に、避難民が来、不逞鮮人の噂ひどく女などは到底東京に入れないと云う。安樹兄、信州の妻の兄の家に止って居ろと云うが、荷物の大半をおき、只食糧だけ持ってのる。ひどいこみようなり、到底席などはなし。大阪の東洋紡績の救護隊総勢二十人近くなかなか手くばりをして、賑に来て居る。となりに居た海軍大佐金沢午後七時〇五分着同三十分信越線のりかえのとき、急行券を買う、そのとき私共と同盟し自分は私共の切符を買ってくれるから、私共はその人の荷物を持ち、席をとることとする。金沢迄無事に行くことは行ったが、駅に下ると、金沢の十五連隊の兵、電線工夫等が大勢、他、救済者が、皆糧食を背負い、草鞋バキ、殺気立った有様でつめかけて居る。急行は何方につくのかときいて見ると、ブリッジを渡った彼方だと云う。A、バスケット、かんづめ包をふりわけにし、自分は袋、水とう、魚カゴを下げ、いそぎブリッジを渡って、彼方できくと、彼方側だと云う。又、今度は時間がないのでかけて元の方に下り、人にきき、元と同じ側に待つ。