轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

24 流転の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 页

青空文庫

仏頂寺も、丸山も、昨夜のうちに帰って来た様子がない。

いったん戻って、また出直したとも思われない。兵馬は気が気でない。

肝腎の案内者、次第によっては助太刀をも兼ねてやろうという剛の者が、戦いを前にして逃げ出したわけでもあるまいに、他の大事とはいいながら、あまりといえば暢気千万だ。

兵馬は起きて、面を洗って、用意を整えて待っているが、仏頂寺と、丸山は、容易に帰って来ない。もう外では、人の足の音、馬の鈴の音が聞える――膳を運ばれたのを、そのままにして箸を取らないで、二人の帰るのを待っているが、二人は帰らない。日が高くなる。

宿のものにいいつけて捜させると、その二人は瓢箪屋という茶屋で女を揚げて、昨晩、さんざんに飲み、酔い倒れてまだ枕が上らないとの報告。兵馬は聞いて苦笑いをしました。

二人の飲代は、お銀様から預かった、財布からの支出に相違ない――兵馬はそんなことは知らないが、あまりの暢気千万に呆れて、よし、それでは拙者が出向いて起して来るといって、旅装を整えて、この宿から茶屋へ向いました。

兵馬はその茶屋というのへ行ってみたが、たしかにお二人はおいでになっているが、未だお眼醒めになりませんという。