轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

24 流転の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 页

青空文庫

「お客様、お流し申しましょう」

と言って、かいがいしく裳をからげて、米友の後ろへ廻りました。

「済まねえな」

米友はぜひなく、その女に背中を流してもらっていると、外の弥次が、

「お玉さん、しっかりみがいて上げてくんな」

と弥次りました。

「お黙りなさい」

その女が叱ると、

「いよう――」

と妙な声を出し、

「可愛い坊っちゃんを、大事にして上げてくんな」

「うるさい、あっちへ行っておいで……」

「お玉さん、思い入れて磨いておあげ……そうして坊っちゃん、今晩はお玉さんの懐ろに入ってゆっくりお休み」

「あっちへ行っておいでってば――」

「やけます……」

「いよう! 御両人……」

外が、無暗に騒々しいから、米友がムッとしました。

「お客様、お気にかけなさいますな、みんないい人なんですけれど、口だけが悪いんですから」

「ばかな奴等だなあ……何が面白くって、外で騒いでやがるんだ」

米友が面を上げて窓の上を睨むと、そこにはいくつかの首が鈴なりになっている。

「兄さん――お前は子供なのかい、それともお爺さんなのかい?」

その鈴なりの顔の一つが叫ぶと、続いて他の一つが、

「裏から見れば子供で、表から見ればお爺さんだから、これが本当の爺ちゃん小僧というんだろう」