轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

24 流転の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 页

青空文庫

そうしてみると、今まで、張り詰めていた百蔵の邪推とか、嫉妬とかいうものが、今は滑稽極まることのようになって、吸附け煙草をパクパクやっている白雲の姿に、吹き出したくなるのを堪えて、胸の中で、

「どう見てもこの男は色男じゃ無え」

全くその通り、どう見直しても、眼前にいるこの男は、自分が一途に想像して来たような、生白い優男ではありませんでした。色が生白くないのみならず、本来、銅色をしたところへ、房州の海で色あげをして来たものですから、かなり染めが利いているのです。それに加うるに六尺豊かの体格で、悠然と構え込んでいるところは、優男の部類とはいえない。いかなイカモノ食いでも、これはカジれまい――そこでがんりきも、ばかばかしさに力抜けがしてしまいました。

すべて、がんりきの目安では、あらゆる男性を区別して、色男と、醜男とに分ける。色男でない者はすなわち醜男であり、醜男でない者はすなわち色男である。男子の相場は、女に持てることと、持てないことによってきまる。そうして少なくとも自分は色男の本家の株だと心得ている。この本家の旗色に靡かぬような女は、意地を尽しても物にして見せようとする。