轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

33 不破の関の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,467 字 · 168 页

青空文庫

「家康とても鬼神ではござるまい」

「なかなか以て。故の太閤ですらも我々へ常々申し聞けらるるには、家康の儀は知勇共にそなわりたる人であるによって、我等のよき相談相手と思って馳走いたすのじゃ、お前たちの合点のいくことではないと、事毎に言われたものだ。太閤ですら、それほどに遠慮を置いた人物を、貴殿がいまさら相手に取って弓矢に及ぶとは沙汰の限りのことでござる、左様な無益の儀を思い止まって、我等と一緒に会津表へ下向なさるがよろしい」

三成はそれに答えて言った、

「それはそうでもあろう、貴殿の諫言に従って思いとどまるのが道理かも知れないが、今はもう退引のならぬ事態になっている。というのは、我等上杉景勝の家老直江山城守と堅く申し合わせ、当春より直江が主人景勝をすすめて旗を揚げさせ、そこで、家康父子をはじめ徳川一味の諸軍がみな景勝退治とあって会津発向のように仕組んで置いた仕事が、予定通り今日の段取りとなって現われたものである。この際拙者が思いとどまって、景勝一人を見殺しにできようか、できまいか、武道の本意によりて推察ありたし。合戦の勝負のことはどうあろうとも、この儀を思い止まることは、三成としては決して罷りならざるの儀でござる。