轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
37 恐山の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 页
本心に立ちかえりさえすれば神尾のことだから、相当要領よく遁れて、余炎を抜くまでどこぞに忍ばせているだろう。
そこで、悪食連も、いいかげんで探索を打切って、それから一方へ鐚を寝かして置いて、一室に集まったが、これで正七ツも過ぎてしまい、せっかくの趣向の悪食も、その日はそれでお流れです。
悪食はお流れとしても、こう面を合わせてみると、それからそれと余談に花が咲いて、思わぬところへ話の興が飛びます。
本来、これは悪食の会ではありますけれども、悪人の会ではないのです。それは会員に神尾及び神尾もどきのもあるにはあるが、人間は決して悪くはない。ただ悪食そのものだけに、多少の好奇を感じて誘惑されて来た人もあるのですから、なかなか耳を傾けるに足る言説も出て来るのです。
そのうちに、一つの話題の中心となったのは、当時けしからぬのは芝の三田四国町の薩摩屋敷だということです。
あれは、白昼、天下の膝元へ大江山が出来たようなものだ。たかの知れた浮浪人どもの仕業と見ているうちに、昨今いよいよ増長して、断然目に余る。
大江山に棲む鬼共が、帝京の地に出没して物を掠め、女をさらって行ったように、彼等は三田の薩摩屋敷を巣窟として、白昼、お膝元荒しをやっている。