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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
37 恐山の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 页
と言って、指で阿弥陀様のするように、丸い形をつくって見せて、下品な笑い方をしました。誰も、変な先生だと思わないわけにはゆかないでしょう。仮りにこの男が近藤勇と同郷人として、同郷人ならば相当花を持たせて然るべきものを、聞かれもしないに、頭から罵倒してかかっている。罵倒を丸出しにしてかかっている変な奴ではないか。
百六十五
三人の壮士も、全くこのよたとんを変な奴だと思いながら、黙ってその形を見ていると、よたとん先生は、例の阿弥陀様のするような、指で丸い形をこしらえて三人の前へつきつけて、繰返して言いました、
「みんな、コレでげすよ、これで買われて働いているお雇い壮士なんでげすよ。いいかね、今の徳川家には、ああいって人斬り商売をするような人体がないんでげす、ところで、命知らずの無頼者を、金で買い集めてやらせるんでげす。最初、新徴組が出来やした時には、一人前五十両のお仕度金が下され、それで都合五十人の命知らずを集めて、幕府の用心棒としたものでげす、一人頭に五十両、五十人で都合二千五百両――聞くところによりますと、目下は、その新徴組が新撰組となって、専らその近藤勇に牛耳られているそうでげして、手下も三百人から集まっているそうでげすが、ああして乱暴を働いて、たんまり儲かるそうでげす。