轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

41 椰子林の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 页

青空文庫

いえば二本棒だが、聖人の道を守って来たこのおやじを、今となって人間道に引卸すなんては罪だよ、考えてもいけねえ、そういうことは口走るもんじゃねえよ、と七兵衛は自問自答して、厳粛に打消してしまったりしていましたが、一晩考えてみても、なんら目当てはつきません。

物事はそう取越し苦労ばっかりするもんじゃねえ、神仏がいいようにして下さらあ、縁は異なもの味なもので、人間業に行って行かねえやつなんだ、早い話が、甲府勤番支配駒井能登守が、この大海原の真中の離れ島の椰子の木の下で、おれの娘分のお松と出来合うなんていうことが、仏様だってあらかじめ御存じのある事じゃあるめえ、それと同じことに、あの娘だって、どうしようの、こうしようのと、おれがここでやきもき思ったからとて、どうなるものか、冗談は言いっこなし、いい年をして、そんなことができるかい、そんなことをしようものなら、みんなの示しがつくと思うかい、なに、駒井の親玉でさえもあれじゃないか、お前のはそれよりもっと素姓がいいんだぜ、村方総出で許されて来たんだぜ、あの時、村方の者が何と言った。

あの村のならわしで、いったん男に肌を見られた女は、もうよそへお嫁に行くことはできない。