轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

中里介山『大菩薩峠1』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 页

青空文庫

「ばかなことを言うな……なんの百里や二百里の道」

七兵衛も悲しくなる、お松も悲しくなる。

七兵衛の足では、百里や二百里の道はなんでもないが、お松の身が、この百里を隔てた西の都に来るまでには、容易ならぬ行路の悩みがある。

お松は、しばらく袂を面に押し当てたまま、しゃくり上げていましたが、

「いつ、こちらへお着きになりまして」

「今日来たよ」

「ようここが知れましたなあ」

「うむ、ちょっとしたひっかかりで聞き込んだから、直ぐに飛んで来た。来て見れば、お前の身の上も、思ったより無事で、こうすんなり会えようとは思わなかった。そうして、わしは、お前をつれて江戸へ帰るつもりで来るには……来たが……今も、ここでおちおち考えてみれば、帰ったとてお前の頼るところもないようではあるし、わしも思うように世話をして上げるわけにはいかない。縁あってこちらに来たものだから、いっそこちらで暮すもよいかも知れぬ。どうだ、お前の考えは。遠慮なく言ってごらん」

「有難う存じます、おじさん、どこへ行きましても、運の悪いものは悪いものでございますね、わたしは、もう諦めました」

「どう諦めた」

「江戸へ帰りたいとも思わず、ここで一生を送りたいとも思いませぬ……運には勝てませぬから、何事にも逆わず身を任せて行くつもりでございます」