轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

中里介山『大菩薩峠1』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 页

青空文庫

この暑いのにまだ袷を着ている。手には竹の杖。

女を見て総立ちになった閑人どもは、このたびは一人として見向きもしない。

問いかけられた当の金蔵すらも、直ぐに眼をそらして、

「植田様は、これを真直ぐに左」

鼻であしらう。

旅人は、教えられた通りにすっくと歩んで行く。これはこれ、昨夜を長谷の籠堂で明かしたはずの机竜之助でありました。

三

長谷から三輪へ来たのでは後戻りになる。

関東へ帰るつもりならば、長谷の町の半ばに「けわい坂」というのがあって、それを登ると宇陀郡萩原の宿へ出る、それが伊勢路へかかって東海道へ出る道であるから、当然それを取らねばならぬ。竜之助が、この三輪まで逆戻りをして来たからには、関東へ帰る心を抛ったのであろう。また京都へ帰る気になったのかも知れぬ。いや、そうでもない、彼は今や西へも東へも行詰まっている。立往生をする代りに、籠堂へ坐り込んで一夜を明かした、が、百八煩悩を払うというなる初瀬の寺の夜もすがらの鐘の音も、竜之助が尽きせぬ業障の闇に届かなかった。迷いを持って籠堂に入り、迷いをもって籠堂を出た竜之助は、長谷の町に来て、ふとよいことを聞いた。