轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

中里介山『大菩薩峠1』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 页

青空文庫

それ以来、「御陣屋の大先生」の武芸を疑うものがなくなった。

机竜之助は、この人にはじめて会って見ると、父なる弾正の面影を偲ばずにはいられなかった。なんとなく威光のある、そうして懐しい人柄だと、荒びきった机竜之助の心にも情けの露が宿る。

「これは仕合せなことじゃ、どうか暫らくこの道場を預かっていただきたい」

丹後守は、道場へ出て竜之助の試合ぶりを見てこう言うた――この道場にはべつだん誰といって師範者はないけれど、丹後守の邸には、召使のほかに、いつも五人十人の食客がいる。多くは浪人者で、そのほか、国々や近在から、武芸修行者が絶えず集まって参ります。

五

見も知らぬ浮浪人を、快く家に通すさえあるに、その技倆を信じて、己が道場を任せて疑わぬ丹後守の度量には、机竜之助ほどの僻けた男も、そぞろ有難涙に暮れるのであります。竜之助は再びここで竹刀をとって、人を教える身となります。何から言うても、よくもとの身の上に似ている、丹後守を父として見る時に、竜之助には更に強く強く親の慈悲というものがわかってくるのであります。いかに物事に不自由がなくても、子のない人には、消して消せない寂しさがあります。