轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

中里介山『大菩薩峠7』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 页

青空文庫

それは一人の絵描きが露店を張って、通る人の求めに応じて、さまざまの絵を描いているのであります。

ところが、この絵描きが、風采からしてすこぶる変っています。六尺豊かの筋骨逞しい鬚男で、髪は結髪にした上から、手拭で頬かむりをし、眼先なかなかものすごく、小刀を前半にし、大刀を後ろの柳の木へ、戸板を結びつけたしきりへ立てかけて置いて、その中へあぐらを組んで、しきりに絵筆を揮っているのが、一種異様に見えますから、米友も思わず足を留めてその前に立っていました。

「済みませんが、鍾馗様を一つ描いて下さいな」

町家のおかみさんらしいのが頼みに来ると、

「よろしい」

絵師は、さっさと紙を展べて、縦横に筆を走らせ、見るまに悪魔除けの鍾馗様を作り上げてしまうと、おかみさんは喜んでそれを受取り、いくらかの鳥目を紙に包んで去りました。

「おじさん、凧の絵を描いておくれ」

「よしよし」

ひきつづき、二人の子供のために、絵師は筆を揮って、忽ちに雲竜と奴とを描き上げた腕前は、素人の米友が見てさえキビキビしたものです。

「こちらへお出しなさい。糸目をつけて上げますから」

絵師が凧の絵を描いてしまうと、その後ろに乳呑児を抱いて控えていた、この絵師の女房らしいのが直ちにそれを受取って、子供のために糸目をつけてやる。