轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

中里介山『大菩薩峠7』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 页

青空文庫

の前へいって、その戸の桟へ手をかけて、それを引開けようとする様子ですから、お吉が、あなやと驚きました。

「殿様、何をなさいます」

「お前の知ったことではない」

「殿様、それをおあけになってはいけませんでございます」

お吉は神尾主膳の前に立ち塞がって、その手を抑えようとしました。

ここにいう大中寺七不思議の一つ「開かずの雪隠」というのは、昔、佐竹の太郎が皆川山城守に攻められて、この寺へ逃げ込んで住職に救いを求めたが、住職が不在で留守の者が、これを聞き入れなかった。佐竹はその無情を憤って、乗って来た馬の首を寺の井戸の中に斬り落し、自分は大平山の上にのぼって自殺して果てた。その後、佐竹の奥方が夫君はこの寺に隠れているものと信じて、密かにたずねて来て見ると、右の始末で敢なき最期を遂げてしまったということが明瞭になると、そのままこの雪隠の中へ入って自害を遂げてしまった。その後、どうもこの雪隠に怨霊が残ってならぬ。何かと祟りがあって不祥のあまり、錠を卸して人の出入りを禁ずること数百年。よって「開かずの雪隠」の名で今も大中寺七不思議の一つに残っている。それ以来、何人もその禁を犯したものがない――それを今、神尾主膳が、故意か間違いか、手をかけて引開けようとしている有様だから、お吉の驚いたのも無理がありません。