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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

中里介山『大菩薩峠7』。同一底本的分册已合并为一书。收入:大菩薩峠、大菩薩峠。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 页

青空文庫

この男の怒り方は、反抗的、或いは相対的に怒るのではありません、先天的に怒るのであります。とはいえ、この男を狂者と見るには、あまりに道義的で、同時に常識的のところがあります。

今や、不幸にしてこの男は、人生の水平線がわからなくなっているように、死と生との分界線がまたわからなくなっているのであります。死が万事の消滅だと信じきれなくなっているのであります。ああ、この何千貫の石の蓋は、かよわき女性のためにはあまりに重い。この蓋あるがゆえに、魂がこの石の下で呻き泣いている。

我々にとって、この重しというものはかなりにこたえる。死して後にこたえるのみならず、生ける間にこたえていた。我々凡人は、単に生れどころが悪かったというだけの理由で、ずいぶん、意味のわからない重しを、かけ通しにかけられて来たようである。おれはまだ生きているし、おれの身体は小さくとも、まだまだ充分その重しに堪えられる力はあるつもりだが、お君は死んでしまった。死んで後までもこんな重い物をかぶせて、魂を幽冥の下までも咽び泣かしむる人間というものの仕様の、愚劣にして残忍なることよ。

そこで、宇治山田の米友が、高さ二丈を数える巨大な五輪塔の上によじのぼって、その風大の上に足をふまえて、頂上の空輪を取ってのけようとする努力には、彼の持っているあらゆる力が一時