轻松读懂日语经典作品
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てんぐ
天狗
大坪 砂男
「宝石 七、八月合併号」岩谷書店、1948(昭和23)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,545 字 · 19 页
女王蟻の驕慢ではなかったか。おまけに、読みもしない金印伝皮のブック・カバーに詩集らしき物を携えている。
「お美しい」と宿の娘はいう。当然ではないか。女が己れを売ろうとするとき美しくなかったら世の中に蝶々蜻蛉は飛ばないのだ。
蕎麦が悪かった。それで腹痛がおこってしまった。この宿では週に一度乾蕎麦をもどして馳走する。三度三度が味噌汁の外は海苔か野菜の煮附で、卵や干物がつけば上の部なのだから、お代り自由の蕎麦の振舞いを一つ自慢に、この時だけは客を広間に集めて恭々しく一杯平げると次の皿を持ってくる。
蕎麦その物は何等非難さるべき理由はない。古来修験道の者が携帯食料として蕎麦粉一味を選定してきた実験上の事実からも、分析表による蛋白質の含有量比を検べても、他の穀類の遠く及ばない特質に恵まれている。ただ、これが冷えの性の物だとの俗説は一概に否定さるべきではなく、時あたかも腹巻を洗濯したばかりだとの条件も充分考慮の内に入れておくべきだった。それが、内気な素直な性質からつい盛って出された物は平げる必要があると一皿余計にやってしまったのだ。
子供の頃に祖母がよく「残すとおそばが泣くよ」